2012.05.12 *Sat

フランス大統領選挙とギリシャ総選挙の結果は、ユーロ解消に向けて物事が進展していることの表れである

 
■救済する方も救済したくない、救済される方も救済されたくない、という不可思議

 2012年5月のフランス大統領選挙とギリシャ総選挙は、ユーロ解消=各国通貨復活、への道のりが進行している証拠である。

 フランスでオランド大統領が誕生することは、「フランスは南欧諸国を救済したくない(この救済策は嫌だ)」というフランス国民の世論の表れである。

 ギリシャ総選挙で救済策請け入れのために緊縮策を講じようとする与党が過半数割れしたことは、「ギリシャ人は救済して欲しくない(この救済策では嫌だ)」という表れである。(ギリシャ人は目先の痛みを回避したいがために、ユーロから離脱した際のより大きなリスクを見逃している側面はあるが。)

 救済する方も救済したくない、救済される方も救済されたくない、という、何とも変てこな状況である。

 要は、「ユーロもう懲り懲り」と両国民が考えているということを意味している。ユーロ解消に向けて着々と物事は進行している、と考えるのが妥当である。

■バブル崩壊後にやるべきことは緊縮策とは反対のことである

 バブル崩壊後に各国政府がやるべき最も重要なことは、「金融政策と財政政策で緊縮策を採らない」ということだ。そのためには、通貨供給量を増やして通貨価値を安く誘導しつつ、政府支出は多めに誘導すること(たとえそれによって国家財政が短期的に或る程度悪化するとしてもである)、である。

 ところが、ユーロの仕組みを維持しようとすると、ユーロ価値毀損を避けるために各国政府は強烈な緊縮策を講じよ、ということになってしまう。とくに、救済する側に立つドイツ、フランスは、ユーロ各国に対して緊縮策をしなければ救済のために資金を拠出することはできない、の一点張りである。

 しかし、これをやるとバブル崩壊過程で経済回復がどんどん遅れ、悪循環が悪循環を呼んで事態が悪化する一方になってしまう。行き着く先は、日本がバブル崩壊で失敗したように、「デフレ経済」の蟻地獄である。大怪我をして大量出血している人に献血を強制するかのような行為は、「泣きっ面に蜂」になるようわざと行動しているに等しい。

 こうやって1年も2年もかけて、すったもんだで造り上げる合意案が、ユーロ圏に残してあげる代わりに、デフレ地獄に巻き込まれることを確実にするような厳しい緊縮策を課すだけの内容では、南欧諸国にとっても、独仏にとっても、長期的には得るものよりも失うものの方が大きい。

■ユーロの仕組みを維持しようとする限り、やるべきことと真逆のことになってしまう

 なぜ、そんな単純で明白なことなのに、欧州が何も出来ずにウロウロして時間稼ぎするだけに終始しているのか?

 それは、「通貨供給量をどの一国の政府も自由に決められない」というユーロの根源的な仕組みに由来している。「ユーロを続けている限り、バブル崩壊時に各国政府がやるべきことを何一つできない」、これが現実である。

■ユーロを解消し、各国通貨を復活させ、やるべきことをやるしかない

 従って、欧州の将来について私が考える予測は、ユーロを解消して、各国通貨を復活させ、その上で各国政府が通貨価値を意図的に安めに誘導し、通貨供給量を増やし、血流(通貨流通)が途絶えるのを防ぎ、通貨安により輸出をし易くし、経済の回復を促す、それしか選択肢はない。

 今後どのように事態が転んだとしても、最終的にはユーロを解消し、各国通貨を復活させるしか選択肢がない。これが、このブログでの私の一貫した考えである。

 錐揉み降下状態の経済では、財政政策と金融政策の操縦桿を握る者が高度な操縦技術を駆使することが前提条件にはなるものの、ユーロを解消し、各国通貨を復活させ、バブル崩壊時にやるべきことを各国がやることが、ほぼ唯一の欧州にとっての正しい選択肢である。

 共通通貨ユーロが抱えている本質的な問題点については、「南欧バブルが起こった理由は、通貨発行元と国債発行元を別にしてしまったことにある」の記事を参照されたい。

検索キーワードタグ:ギリシャ危機 ユーロ危機 世界経済 日本経済 欧州危機 ソブリンリスク イタリア危機 スペイン危機 デフォルト 国債発行元 通貨発行元 流動性危機 ソブリン危機 ユーロ解消
[EDIT] [TOP]

2012.05.08 *Tue

祝5.5。しかし、脱原発への道はこれからだ。「さようなら原発1000万人アクション」に署名しよう

 
 2012年5月5日は、日本での原発稼働が一時的にとはいえゼロになった記念すべき日である。これはひとえに民意の力の為せる技であり、一つの成果だと思う。

 しかし、道のりはこれからだ。永田町、霞ヶ関、原発ムラが大飯原発再稼働を狙っている。その後も、伊方原発など次々と原発を再稼働させようと目論んでいる。これを阻止しなければ、せっかくの5月5日の記念すべき日も台無しになってしまう。さらに民意を盛り上がらせよう。

 稼働原発が0になったからと言って、安全になった訳ではない。全国54基の原発は100度以下になっただけで、もう冷やさなくてよくなったのではない。冷温停止状態下にある莫大な熱を持った核燃料棒には今後数年間は水をかけ続けなければならない。燃料棒は「すぐには冷え切らない」性質を持っているからである。「冷温停止」という言葉が如何にまやかしに満ちたものであるかが分かる。何年か後に燃料が充分に冷え、最終的にドライ・キャスク(乾式キャスク)に入れ替え、水で冷やす必要がなくなるまで、安全になったとは言えない。

 首都圏の目と鼻の先にある浜岡原発も、2011年5月に停止してから、まだ1年間しか経っていない。燃料棒は少なくとも停止から約500日間は莫大な熱を持ち続けており、上記と同様の状況下にある。

 ともあれ、まずは原発を一つたりとも再稼働させないことだ。そして、脱原発、全原発廃炉へと進んで行かなければならない。

 その前に、依然として放射能を撒き散らし続けている福島第一原発事故を収束させなければならない。その証拠に、核分裂反応直後にしか存在しない筈の放射性ヨウ素が少量ながらも依然として関東各地で時々検出されている。1号機から3号機はメルトスルーしていて、デブリ(Debris)に水が届いているのか否かさえ定かではない状態にある。また、4号機の使用済み燃料プールに問題が起こる前に、プールの中の莫大な数の燃料を取り出す作業をしなければならない。マスコミは意図的に福島第一の報道をしていないが、実際には福島第一原発事故は依然として続いており、現場作業員の人々の努力によってかろうじて持ち堪えている状態にあることを、まず国民一人一人がよく認識することが必要である。

 原発事故は天災ではなく人災である。戦後60年に積もり積もった日本の社会の歪みが「膿み」の形となって湧き出てきたのが福島第一原発事故である。電力過剰消費、高度経済成長、高所得高収入、企業利益拡大、大量生産大量消費、お金、欲望、利権、そういった人間的でないものを盲目的に追い続けてきた日本人に対して、「もっと日本人本来の姿、人間本来の姿を取り戻しなさい」と天がサインを送ってくれたものであると私は考える。

 だから、脱原発なのである。それが日本人本来の姿を取り戻すメルクマールである。

 夏の電力不足だの、電気料金などといったことは、余りにちっぽけな問題で議論するにも値しない。利益至上主義、金満主義、利己主義、利権体質、物質主義、に染まった戦後60年間の日本人の歪んだ生き方を真摯に反省し、日本社会を正常な軌道に戻すことこそ、国民が真剣になって議論すべき議題である。こんなに生活が豊かなのに、人々の心がこんなに貧しい時代、これはどこかが根本的に間違っているのだ。

 脱原発を確実にして日本を安全な国にしてからでなければ、我々の子ども世代に日本社会のバトンを渡せない。次の世代にバトンを渡す前に脱原発を実現することは、戦後60年間に生きてきた我々中高年世代の務めである。自分達がやってきたことによる負の遺産の清算を自分達で始末するのが戦後世代の義務である。

 国民一人一人がやれることはある。瀬戸内寂聴さん、内橋克人さんなどが呼びかけ人となって集めている署名活動に協力するだけでも、ささやかな貢献になる。2012年5月いっぱいまで署名を受け付けているので、「さようなら原発1000万人アクション」のHPを是非ご覧になり、趣旨に同意された方は、PDFを印刷して、署名し、郵送しよう。署名用紙のページはこちら

 国民一人一人の力は小さいが、1000万人集まれば大きな力になる、と思う。署名の力、そして、来るべき衆議院選挙での選挙の力で、日本を正しい方向に変えて行こう。

検索キーワードタグ:福島第一原発事故 原子力発電 原発利権 原発ムラ 脱原発 原発廃絶 原発廃炉 1000万人署名 利益至上主義 金満主義 利己主義 利権体質 物質主義 電力過剰消費 高度経済成長 高所得高収入 企業利益拡大 大量生産大量消費 カネ 欲望 利権
[EDIT] [TOP]

2012.05.04 *Fri

「マネー資本主義」から「共生経済主義」へとシフトさせて行くことが人類の重要な課題である

 
■ニッポンの里山

 NHKが2011年のあいだ放送してきた「日本の里山」を楽しんで観てきた。とても感動的な番組の数々であった。NHKの原発事故報道は最低だが、こと非政治的な番組作りにかけては、真面目お利口集団NHKならではの良質な番組作りをするのがこの放送局である。

 里山の何が良いのかというと、「人間が偉ぶっていない」ことである。里山の思想は、人間と他の生物が共に助け合って共生することである。人間が偉いんだから、他の動物はどこかへ消え失せろ、お前達は邪魔だから居なくて宜しい、というのではない。

 他の動物を大切にすればするほど、人間にとっても長期的に大きなメリットがあるというのが里山思想である。人間が他の動物に手を貸すのではなく、むしろ他の動物に手を貸して貰って人間が生きる、という思想である。

 両者に上下関係が全く無い、両者ともに居ないと困る、互いに居てくれるととても助かる、という思想である。人間が他の生物に何かを譲るのではない。譲歩の思想は、傲慢な思想である。「向こうにちょっとだけ譲って貰うことで、こちらの立ち位置が初めて得られる」という謙虚の思想である。手を差し伸べるのではない。手を差し伸べて貰うのである。傲慢さは、見掛け上は勝っているように見えるが、長期的には自らの破滅を早めているに過ぎない。

■共生思想

 例えば、稲作の田んぼで、わざとカマキリやクモを生かしておく。すると、カマキリやクモが稲にとって困った害虫を食べてくれる。だから、稲刈りの時に、稲刈り機を入れる直前に、手作業で稲穂を叩いて、カマキリやクモに一時避難して貰う。今から稲刈り機が通りますから、ちょっとだけどいていて下さい。そして生き残って、また来年宜しくお願いします、という具合だ。

 食器を洗ったり、飲料にしたりする小川に、わざとコイなどの魚を放つ。そしてコイが泳いでいる傍で食器などを洗う。食器を洗って水が少々汚れても、その汚れは有機物だから全部コイが食べて綺麗にしてくれる。これで何時も綺麗で澄んだ小川が維持される。汚いものを流し放題流して、川底が汚くなったら、浚渫船(しゅんせつせん)で川底の汚泥を総ざらいすくって、その汚泥をどこぞの最終処分場に埋め立てる、という袋小路の思想ではない。一方通行の袋小路思想ではなく、循環思想である。

 草が生い茂った場所にわざと牛を連れて行って放ち、下草を食べて貰う。何もしないと、下草は猛烈な勢いで伸びてしまって、そこには人が入れない程草がぼうぼうに伸びてしまう。また、余りに草が生い茂ってしまうと、適度に日光が入らずに、むしろ土地の状態が悪化してしまう。そこへ牛を放つことによって、牛が適度に草を食んでくれて、今まで荒れ地だった場所が豊かな牧草地になってくれる。林が適度にマネージされる。人間が機械で草刈りをしなくても、牛が自動的に草刈りをしてくれるのだ。

■人類の知恵の殆どは共生思想だった

 こういった共生の思想は、ごく最近までの数万年間に渡る人類の巨大な知恵だった。人類の知恵の殆どは共生の知恵だったと言っても過言ではない。1万年前に人類が初めて文明を獲得した後も、人類はずっと自然や他生物と共生しつつ生きてきたのだ。つまり、これがノーマル状態である。

 ところが、ごくごく最近、始まりは250年前の産業革命、そしてそれが急激に進んだのが100年前からのアメリカ文明、これによって自然との共生が一気に崩れた。人間以外の全ての動物、全ての植物は「全く居ないのが最も望ましい状態」という思想のもと、無生物状態、無菌状態の非共生社会が強烈に推し進められた。

 非共生の始まりは西洋人からだが、我々日本人もここ数十年間のあいだに、いつの間にか共生思想を忘れ呆けてしまった。石油を燃やし尽くし、終いには自然とは全く関係のない原発にまで手を染めてしまい、手痛い原発事故を自ら誘発してしまい、天から「お前達には自然はやらない」と強烈なしっぺ返しを食らった。東日本の可成り大きな面積を占める地域が、「人間の住めない場所」になってしまった。だからこそ、天からのサインをしっかり聞いて、日本人は「脱原発」「原発廃絶」の確固たる決断を、今ここで下さなければならない。

■日本の雑木林

 日本にはつい最近まで人間が生活している近くには必ず雑木林があった。木炭と薪木を得るための林だった。雑木林は原生林ではなく、人間が意図的に作った林だ。

 人間が植樹して林にし、木が大きくなったら伐採する。そして、伐採した分だけまた植樹する。木炭や薪は生活必需品だったから、雑木林は無くては成らない資源だった。

 ところが、石炭、そして石油に依存する社会になって、雑木林の必要性が突如として消滅してしまった。人間が手を入れないと10年もすると林は荒れ放題になってしまう。それに手を焼いた人類はブルドーザーで林そのものを根絶やしにして建物を建てコンクリートで埋めてしまった。

 水を吸う林がなくなったので、洪水のリスクが増した。林で獲れる腐葉土がなくなり、合成肥料と農薬を使わなければならなくなり、連鎖的に田畑でも共生構造が崩れた。一つの共生構造が崩れると、次々と連鎖的に他の共生構造も崩れて行く悪循環が起こる。

■日本は歴史的に最も共生思想が進んでいた国だった

 実は日本人というのは世界的にも最も共生思想が進んでいた民族だった。それは、日本という国土が世界でも類い希なほど豊かな自然に恵まれていたからだ。他国民が羨むほど多くの雨が降り、燦々と日光が差し、適度な温度と湿度に恵まれた。海があり、川があり、山があり、森や林の緑があった。

 自然が豊かだったからこそ、日本には二元論ではなく、山や川や石や虫さえも崇める多神多仏の多元論思想が発達した。この多元論思想が日本の様々な文化や習慣や国民性の根幹を成している。こんなに自然が豊かな国は、どんなに文明が進んでも共生思想を忘れるのはもったいなさ過ぎる。

■一人勝ち思想の危うさ

 この共生思想の崩壊は、このブログで私が何度も指摘している「一人勝ち思想の危うさ」にも通ずる。資本原理主義、効率主義、都市一極構造、マネー原理主義などの思想は全て、「一握りの者が勝ちさえすれば良い」という原理に立脚している。それが進歩を促し、技術や文明を加速させる原動力であると考えられてきた。

 ところが、その歪みが次々と露呈している。原発事故もその露呈現象の典型である。電力を大量に消費する者達が最も手っ取り早く他を圧倒して勝てる仕組み、それが原発であった。そこには共生思想は全く無い。人間だけが他を圧倒しさえすれば良い、人間の中でもほんの一握りの勝ち組だけが他を圧倒しさえすれば良い、という歪んだ思想である。

 そこには、「強い者は弱い者の立ち位置を確保する義務がある」という武士道の精神もなければ、惻隠の情の精神もない。愚かな弱肉強食思想である。日本の里山を知ることは、共生思想を知ることであり、共生思想に立ち帰ることである。それが、人類自身に破綻を来さないための唯一不変の原理なのだ。このことを忘れてはならない。

■人類は共生経済段階の入口に立っている

 我々人類の現段階は、「共生経済の入口に立っている」と私は考えている。人類はこれまで数万年を掛けて、農業経済段階を経て、工業経済段階を経て、マネー経済段階までやってきた。この次に来るのは「超マネー経済」ではなく、「共生経済」である、というのが私の考えである。

 これは過去の未開社会段階に戻るという意味ではない。豊かな社会という稔りを享受しつつも、武士道や惻隠の情に則った「他の動物や植物をも生かし共生する社会」を創ることは充分に実現可能なことであり、理想主義でも何でもない。

 それは、「足るを知る」「知足安分」の社会である。そして、それが人類にとって唯一の持続可能な社会である。それは過去に逆戻りするのではなく、現在の状況を受け入れた上にそれを乗り超えたどこかに解がある。

■共生経済のメリットを実感できる仕組み

 そのためには、共生に役立つことを誰かがしたときに、その人がその共生によるメリットを実感できるような仕組みを作ることが大切である。たぶん、○○ということをすると、それが間接的に長期的に自分にとって良いことになって跳ね返ってくる、という仕組みを徐々に創り上げて行けば良いのだと思う。例えば、「地産地消」や「減農薬野菜」という仕組みは、分かり易いし、そのことを積極的に行う消費者にとってもメリットを実感し易いと思う。地産地消するとどの程度の環境負荷軽減効果があるのか、減農薬野菜を食べるとどの程度の田畑の共生環境の改善に繋がるのか、といったことが今後の経済学者が本気になって研究すべき対象である。

 共生にいいことをしてお金を貰うというインセンティブの発想は、たぶん共生経済には全くそぐわないと思う。例えば、人類があたかも知恵を絞ったかに見える「温暖化ガスの排出権取引」があるが、「お金を払いさえすえば温暖化ガスを出し放題」というのは、歪んだアイデアである。この発想はマネー資本主義経済の思想を引き摺ったものであり、偽物である。

 恐らく、お金ではない何らかの指標を提示して、何をどの程度やると共生経済にどの程度貢献できるのか、ということを数的に示せる仕組みを作るべきなのだと思う。そういった研究はこれまで殆ど行われて来なかった。お金に換算して幾ら、というような発想しかこれまでの経済学者がして来なかったからだ。これは、これから人類が少しずつ知恵を絞って編み出すべき課題である。私自身も、もっともっと勉強しなければならない。

 しかし、人類が正しい道を歩みさえすれば、必ずやバランスが取れた何らかの共生経済の具体的指標を編み出せる、と私は信じる。恐らく、今後数百年間程度掛けて人類が試行錯誤しつつ見出してゆくべき課題であると思う。私自身も、原始農本主義とか懐古主義のような極端な思想に偏ることなく、正しいバランスを取りつつ、この問題を少しずつ勉強し、思考を重ねて行きたいと考えている。

 一人勝ち思想が如何に愚かで歪んだ思想であるか、については、この記事を参照されたい。

検索キーワードタグ:共生思想 共生経済 循環経済 多様性喪失 多様性維持 二元論的思想 多元論的思想 原発事故 放射能汚染 常在菌 一人勝ち 勝ち組 負け組 植生 原発依存社会 効率至上主義 資本原理主義 脱原発 原発廃絶 マネー資本主義 武士道 惻隠の情 分を知る 足るを知る 知足安分 第三の道 弱肉強食社会 格差社会 福島第一事故 大量電力消費社会 都市一極構造 東京一極構造 高度成長至上主義
[EDIT] [TOP]

2012.04.28 *Sat

2012年4月27日の白川日銀総裁による量的緩和策を高く評価したい

 
 白川日銀総裁は着々と手堅い手を打ちつつある。「インフレ目標」に向けて、より着実に歩みを進めており、私個人として高く評価したい。

 主な内容は、1)日銀による長期国債買い入れ枠を更に実質5兆円増額、2)買い入れ対象の長期国債の年限をこれまでの2年以内から3年以内に、3)「日銀展望リポート」で示された消費者物価の見通しを2013年度に0.7%、2014年に1%と設定した、の3点である。

 先に、日銀は2012年2月に「物価上昇率1%を目指す」という事実上のインフレターゲットの導入に踏み切った。ただし、2月時点では、「いつまでに」という期限が一切設けられなかったので、「物価目標は分かるけど、いったい何時の話?」と市場側は疑問に感じるし、日銀側も2年後なのか10年後なのかはっきりしなかった。このため、「仮に10年後の2022年にインフレ率1%に達しても、日銀は責任を問われない」、というスタンスだった。

 今回は、「2014年までに1%を目指す」と、日銀史上初めて「期限」を明示した。(厳密には「2014年度を含めて遠からず1%に達する可能性が高い」という表現。)これは意味が大きい。もしも2014年までにインフレ率1%が達成できない状況の場合には、日銀は積極果敢に必要な金融緩和政策をする、とコミットしたのとほぼ同義になるからだ。日銀がこの言質をしたことにより、市場側のインフレ期待が確実に高まることが期待できるからだ。

 買い入れ対象の国債を2年以内から3年以内に拡大したことも意味が大きい。「日銀は3年後の2015年4月までデフレを克服するためにやるべきことをやり続ける」という意思表示を市場に示したことになるからだ。

 重要なことは、金融市場というのは「期待心理でほぼ全てが決まる」ということである。「インフレが起こる(インフレ期待)」と市場が期待すればインフレに振れるし、「デフレが起こる(デフレ期待)」と市場が期待すればデフレに振れる、のである。従って、中央銀行がやることは、「市場の期待心理を中央銀行が狙った方向に促してゆく」ことに尽きる。

 しかし、中央銀行は頑固な意志を示さなければならない。中央銀行があやふやなスタンスだと、市場は疑心暗鬼となり、市場に確実にインフレ期待をもたらすことはできない。「誰が何と言おうとも、2014年までに1%のインフレに持って行くんだ」という星一徹並みの頑固さが日銀には必要である。

 日本の景気循環が2011年8月にピークアウトし、2012年秋頃まで景気下降を続ける見込みの中で、この下支え効果は大きい。これだけ日銀がデフレ脱却に頑張ってくれているのだから、政府は消費税増税や電気料金値上げといった、あからさまなデフレ悪化策を謹まなければならない。本来やるべきことの真逆政策が多い政府がせめてやれることは、「日銀の足を引っ張らない」ことである。

尚、デフレを克服することは経済にとって如何に大切なことか、については、この記事この記事を参照されたい。

検索キーワードタグ:日銀 日本銀行 白川日銀総裁 量的緩和 金融緩和 インフレ目標 インフレターゲット デフレ脱却 デフレ経済
[EDIT] [TOP]



最新記事





プロフィール

春

Author:春
「春(はる)」と言います。学術書の読書好き、スポーツ好き人間。読書した書籍や世界経済を、独自の視点で分析している。

■読書:
医学、薬学、生物学、数学、経済学、経営学、哲学、歴史学、世界史、日本史、宇宙物理学、天文学、社会科学、コンピューター、英語、政治学、など様々な分野の学術本を月10冊ペースで読んで楽しんでいる。

■スポーツ:テニス好きで毎週テニススクールで楽しんでいる。また、愛用のロングボードでサーフィンしている。のんびりLSDジョギングしている。

■パソコン:大のApple Macintosh iMac派で、iPod Classic派。

■写真:風景写真が好き。EOSとLレンズ、Lumixのライカレンズは手放せない。

■ペット:ワンちゃん大好き!ゴールデンレトリバーを飼っていた。

■音楽:長年の1960年代のモダンジャズファン♪



カレンダー

04 | 2012/05 | 06
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -





サイト内全記事一覧表示

全ての記事を表示する



サイト内検索



My Twitter



QRコード

QR



FC2カウンター





Copyright © 春の晴耕雨読〜読書・世界経済 All Rights Reserved.
テンプレート配布者:サリイ (素材:ふるるか) ・・・  FC2ブログ(blog)